官僚ブログ

官僚の卵(自称)が、日々のよしなしごとを綴る。

「大臣」には種類がある!?

先週の16日、菅(すが)内閣が発足した。

巷では、変わり映えがない、派閥のバランス、実務重視、74%の発足時歴代3番目の支持率などなど評価があるが、今日は、評価については立ち入らず、政治学的な話?あるいは一般常識?として、大臣の「種類」について、まとめてみる。

 

実は、、、

総理大臣と副総理を別にして、
「大臣」には、大きく分けて、3つの種類がある。

 

閣僚名簿を見てみよう。(※閣僚とは内閣の構成員、つまり○○大臣)

www.kantei.go.jp

 

例えば、麻生さんは(副総理の他に)、

財務大臣
内閣府特命担当大臣(金融)
デフレ脱却担当

と書いてある。

(これから説明する3種類を見事に兼務している!)

 

1つ目の種類は、一番なじみの深いであろう、○○省の長としての○○大臣である。
財務大臣とか、総務大臣とか、外務大臣とか、、、)

 

残りの二つは、内閣府特命担当大臣(○○)○○担当(大臣)であり、上の閣僚名簿では違いがわかるが、どちらも「○○担当大臣」と報道されることが多く、しばしば混同されている。

まず、内閣府特命担当大臣(○○)というのは、
一つ目の○○省の大臣と同様に考えると、簡単に言えば、【内閣府】の大臣である。

とりあえず、内閣府は○○省と同じものと考えてよいが、
○○省とは違い、内閣府には大臣が複数人存在すると考えるのがわかりやすい。

※厳密に言うと、内閣府の【長】は総理大臣であるが、所掌事務が多岐にわたることなどから、内閣府の長である総理を補佐する大臣を特命で置くことができる。(沖縄・北方対策、金融、消費者・食品安全、少子化対策については、法律によって必ず置くことになっている。)

菅新内閣では、合計17の内閣府の所掌事務が、10人の特命担当大臣に割り振られている。(内閣府特命担当大臣も兼務可能である。井上大臣は5つも担当している!)

 

次に、○○担当と書いてあるのは、何かと言うと、、、
これは、【内閣の担当大臣】である。

いうなれば、内閣官房の大臣である。
(簡単に言えば、内閣官房とは内閣のバックオフィスであるとしておく。)

内閣官房の所掌事務(政策課題)について、内閣の長である総理大臣を補佐する大臣である。菅新内閣では、14人の大臣が23の政策課題について担当大臣となっている。

 

 

というように説明をしてみたけれど、
内閣官房内閣府という「謎」の組織w の説明を省いているため、釈然としない。(近日中に、まとめてみようかな。。。)

 

 

ちなみに、参考として、こんな記事を見つけた。

news.yahoo.co.jp

 

 

追伸:組閣に際し、怒涛のような日々を過ごしてきた。今週も3日しかなかったのに、とにかく忙しかった。。。(忙しい分、充実感はかなりあったが。)そこらへんのバタバタについても記録を残しておきたいとは思うのだが、ブログを書くのも意外と手間なのである。。。(あとは、政策論みたいな話も考えて書きたいのだが、積読が増えていくだけで何も進まない。)

 

※※このブログの内容はすべて個人的見地・見解に基づくもので、所属する組織とは一切関係ありません※※

総裁選2020政策比較!

さて、今日は、先週の続き!ということで、
自民党総裁選(実質的に次の首相選び)の候補者の政策をまとめてみた。

(下のPDF(画像)にまとめたので、ブログ本文の文章は短めだけど許されたいw)

各候補者のパンフレットを基に、政策分野で分類しながら、表を作成してみた。
(こういうのを作ったのは初めてだが、意外と面白い。)

 

 

↓↓とりあえず、眺めてほしい↓↓

f:id:kanryo_blog:20200912145950p:plain(PDFの埋め込みがよくわからないので画像にした。。。)

 

作っていて思ったのは、あまり具体的な政策案がないということ。パンフレットだから仕方ないのかもしれないが、こういうビジョンがあって、その実現のために、こういう制度を作りますというような。例えば、「田園都市国家構想」と言われても???なのである。(のちの批判を恐れて、あえて、具体的なこと(数字とか)は言わないようにしているという面もありそう。)

まあ、政治家は、大きなビジョンを示すのが仕事と考えれば、それでいいのだろうが。その割には、もっと、キャッチ―なビジョン(構想)が欲しい気がする。(そういう意味では、「1億総活躍」とか「人生100年時代」とか、うまいなぁと思うのである。)

 

各候補者について言えば、

菅さんは現政権の実績を猛烈にアピールしていて、また、「政治主導」「縦割り打破」への強い想いが感じられた。(「総務大臣時代には、官僚に大反対されながらも『ふるさと納税』を立ち上げて、いまでは年間約5千億円まで拡大しました。」)

石破さんは、読みやすいとは言えないが、政策についてA4縦にずらっと書き連ねるスタイル。(別に少し詳しく説明したパワポ資料もあったが。)持論を展開して、候補者の中で最も独自性がある。地方創生や国防への想いに加えて、3人の中で唯一、教育格差や女性活躍に言及している。

岸田さんは、パンフの出来(デザイン・読みやすさ)は一番良いが、やはり、影が薄い。菅さんほど現政権の実績を誇示できないし、石破さんほど面白いことも言えない。「日本イノベーション基金」とか「デジタル田園都市国家構想」って何だろう?と思ったくらいである。

 

投票権はないので、候補者の政策を調べてもふ~んで終わってしまうが、テレビとかでも取り上げられてて、けっこう面白いな~と思うのである。
行政官の仕事は、どちらかというと、具体的な方法に落とし込むということであろうが、この国の行く末を左右する大きなビジョンを考えるということも重要なのだと、改めて思った。どうあるべきか?という大きなビジョンがあって初めて、具体的な政策が考えられるのだ。

来週には、新内閣が発足する。
さて、新大臣は誰になるだろうか。今からワクワクである笑

 

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総理大臣はどうやって決まるか?

安倍さん、総理やめるってよ。

28日の会見は、まさに青天の霹靂だった。
長く続くものもいつかは終わりが来る。という当たり前のことに気づかされた。(もしかしたら日本政治の重要な転換点にあるかもしれない。。。)

さて、今日は、7年8か月も総理大臣が変わっていなかったから、辞任表明したらどうなる(どうする)んだっけ?と思ったので、新しい首相が決まるまでの流れ(制度)をまとめてみることにした。(※内閣総理大臣=首相)

 

(前提知識)

日本は【議院内閣制】であるから、国会(=議会)と内閣(=政府)が密接な関係にある。政府は、議会の信任(=支持)によって成り立ち、議会に対して連帯して責任を負う制度である。つまり、国会(議会)が内閣(政府)の長=首相を選ぶ制度だ。

(例えば、【大統領制】のアメリカは、政府の長=大統領は、複雑な仕組みはあるものの、国民による選挙で選ばれる。それとの違いを考えれば、議員内閣制も理解しやすい。)

 

与党の党首→首相

国会において内閣総理大臣を決める選挙のことを、首相指名選挙というが、
議会で首相を選ぶということは、与党(議会多数派)の党首が総理大臣に選出されることになる。(ちなみに、国会議員のうちから指名されることになっている(憲法67条①))

したがって、自民党のトップを決める選挙(総裁選)が、実質的には、次の総理を決める選挙ということができる。

国会日程としては、首相指名をするために16日(水)に臨時国会(会期3日間)が召集されることになっている。

 

自民党の総裁選挙とは?

自民党における党首選びである。(自民党の党首のことを【総裁】と呼ぶ。)

自民党のルールによって選出方法が決まっているが、党内の手続きであるから、語弊を恐れずに言えば、普通の一般人は投票ができない。(政治家ではない一般人が投票するためには、党員あるいは党友にならなければならない。)

加えて、今回は、党員・党友が投票しない「特別な」方法で行われることとなった。

両院議員総会において、自民党所属の国会議員(各1票)と47都道府県連(各3票)による投票で決められる。(なお、多くの県連が、手持ちの3票をどう投票するかについて、党員・党友による選挙(予備選挙)で決める模様である。)

(通常の方法は、党大会において、国会議員と党員・党友の投票する。その際、党員・党友による投票は、総数が国会議員票と同じになるように換算される。つまり、結果に対する影響力は、国会議員と党員・党友が同じになる。しかし、今回の方法は、通常の方法に比べて、国会議員の票に重きが置かれる方法である。)

 

スケジュールとしては、
9月8日(火) 告示・候補者届出受付
9月14日(月) 両院議員総会において投票・開票
https://www.jimin.jp/news/information/200540.html

ちなみに、総裁選の方法については、下の日経新聞のページがわかりやすい。
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/ldp-election2020/

 

 

内閣総辞職と新内閣発足

新総裁が決まったのち、16日に首相指名選挙が行われるが、細かい話をすれば、その前に現内閣(安倍内閣)が総辞職することになる。新しい首相(をトップとする新内閣)を指名するためには、今の内閣が全員やめるということだ。

内閣が総辞職した場合、国会はすべての案件に先立って、新たに内閣総理大臣を指名しなければならない。(憲法67条①)という決まりもある。

(今回は、内閣による自発的な辞職になるが、①内閣不信任案が可決されて10日以内に衆議院を解散しない場合、②内閣総理大臣が欠けたとき、③衆院総選挙後に国会(特別国会)を召集したとき、というように、総辞職をしなければならない場合もある。)

そして、新首相は、内閣のメンバー(国務大臣)を任命し(憲法68条)、新しい内閣が発足することになる。(組閣という。)

 

誰が新総裁(新首相)になるのか。
むしろ、新内閣の顔ぶりはどのようになるのか。

大臣によって、下で支える我々の仕事も変わってくるので、気になるところである。

(あとは、新内閣発足後、いつ衆院解散総選挙になるのか。。。今後いろいろ動きが出てくるのだろうが、淡々と仕事をするしかないな。)

 

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自由民主主義に代わる4つの構想

今日は、またまた久しぶりの投稿になってしまったが、これまでとはちょっと異なる文章を書いてみる。(そういえば、前回も論文であったが。)

これまで、「日記」と「雑記」というカテゴリー分けで書いてきたが、新たなカテゴリーとして政治学の窓」を設け、その言葉通り、政治学的な話をまとめてみたい。(シリーズ化して、ブログの拡充を図りたいという野心。)


一義的には、個人的な「趣味」である政治学の諸々について、言語化することで頭の整理を行うことが目的であるが、「窓」として、多くの人にわかりやすく政治学(の魅力)を紹介できればと思う。

基本的には、論文とか本とかを基に書くことになろうが、どういう内容をどういう風に書いていくかは、今後実行しながら模索していきたい。

 

さて、今回は、初回にしては、内容がいささか難しいが、「民主主義」の話(しかも、かなり応用編)である。

日本政治学会『年報政治学2019-Ⅱ』より、山﨑望「『成熟社会論』から『ケアの倫理とラディカルデモクラシーの接合』へ―『新自由主義権威主義』への対抗政治構想―」を基にする。(加えて、学生時代からの愛読教科書である川出・谷口『政治学』東大出版も適宜参照する。)

 

【前提知識】

日本の政治体制は何ですか?

と聞けば、政治(学)に興味がない人だって、民主主義という答えが返ってくるだろう。(民主主義とは何か?というのは、それ自体が政治学の一大テーマであるが、今回は深堀りしない。)
というのは、多くの「先進国」の政治体制が民主主義(デモクラシー)であるという認識は、広く流布しているからだ。(民主主義は善だというテーゼも同様である。)

ここで、一つ注意しておきたいのが、
現在、民主主義(デモクラシー)と言われるものは、厳密に言えば、「自由民主主義」のことである(場合がほとんどである)ということ。

つまり、
自由主義的な思想や制度を取り入れた、個人の権利と自由を守ることを重視する民主主義である。さらに言えば、選挙によって民意を代表する代表制民主主義である。
(平和な民主国家・自由主義国家に住んでいると、「民主主義」というと、個人の権利・自由を守られるのが当然と考えがちだが、人民が物事を決める民主主義であっても、個人の権利・自由が守られるとは限らない。語弊を恐れずに言えば、民主主義というのは決め方を問題とするのであって、決めた内容は問題にしない。一方で、自由主義は決めた内容にも制約をかける。)

山﨑論文では、もっと踏み込んで、自由民主主義を、第二次大戦後「西側諸国」に定着した「代表制民主主義と福祉レジームの組み合わせによる政治経済体制」(の正統性原理)とする。
(若干強引に説明すれば、国家が個人の権利・自由のためにサービスを提供する福祉国家は、自由主義(いわゆる「リベラル」)の理念から生まれた体制であるから、上で説明した、「個人の権利と自由を守ることを重視する民主主義」という説明と整合的である。※自由主義の話はまた今度したいと思う。)

 

【「長い60年代」と自由民主主義の危機】

戦後、定着したという自由民主主義の特徴をもう少しだけ詳しく説明すれば、次のようになる。

○国民全員が一堂に会して物事を決めるのは不可能であるから、選挙によって代表を選び、その代表が物事を決める体制が整備された。つまり、市民の政治行為は、選挙だけに限定された。

○経済的には、市場における自由競争を認める一方で、経済成長を前提とした福祉政策(再分配)によって、不平等が緩和された。

○これらの主体は基本的に成人男性(家長主体)であり、それを陰で支える(男性に依存する)女性の存在が前提とされた。

(山崎は、自由民主主義が安定した要因を「平等を規範とする民主的主体と、自由を規範としながら、一定の不平等を正統化する余地を持つ経済的主体の潜在的な対立は、経済成長を前提とする再分配によって緩和された。」と説明する。)

その安定が揺らぐのが、1960年代である。

先進諸国の経済成長の鈍化を背景に、自由民主主義に対する不満が噴出したのだ。
出来事としては、ベトナム戦争の敗北、ブレトンウッズ体制の終焉など西側諸国の安定が揺らぎ、代表制において捨象されてきた文化、宗教、ジェンダー等をめぐる政治(運動)が噴出した。反戦運動公民権運動、ブラックパワー、フェミニズムなどがその代表である。
(一連の出来事をひとくくりに「長い60年代」として捉え、物質主義的な価値観を脱し、精神的な豊かさを求める成熟社会への転換が唱えられた。(D・カボール『成熟社会』1972年))

 

自由民主主義に代わる4つの構想】

自由民主主義が、①個人の権利を保護する自由主義と、②選挙を中心とする代表制民主主義、という2つの概念からなることは先に述べたとおりだが、これら2要素それぞれに批判が向けられ、正統性が揺らぐこととなる。
※以下は、かなり雑な説明になるが、どれも重要な概念であるからいつか整理したい。

〔①自由主義に対抗する観念〕

①A:新自由主義(ネオ・リベラル)
個人の基本的人権を守るために国家が福祉サービスを提供すべきという自由主義に対抗し(簡単に言えば、福祉国家を批判し)、英サッチャー政権や米レーガン政権に代表される「小さい政府」を推し進めた理論。国家による救済制度より、市場における自由な競争を重視し、経済自由化を図る。(種々の民営化もこの文脈にある。)

①B:ケアの倫理・共同性論
自由主義新自由主義も、主体は成人男性を前提としている。それに疑義を唱えたのが、第二波フェミニズムに起源をもつ「ケアの倫理・共同性論」である。不可視化されてきた女性やマイノリティの存在を前提に、ケアのニーズに応答する主体の生成を求める。(人間の被傷性を前提とし、弱者のみならず、ケアを必要とする者への救済(ケア)を図る。)

〔②代表制民主主義に対抗する観念〕

②A:権威主義ポピュリズム
権威主義的とは、ここでは「保守的」「排他的」と言い換えられよう。ある特定の道徳(権威)に従う我々(民衆)と他者(特に既存の代表)を二分化し、真の「人民」主権を唱えるアイデンティティ政治を展開する。

②B:ラディカルデモクラシー
代表制において、代表されない主体の存在を前提とし、代表制を介した民主主義ではなく、市民が直接的に政治に参加することを求める概念である。(選挙だけではない政治活動を求める。)

 

 「長い60年代」を経て、現在、このうち①Aと②Aが、自由民主主義の正統性を揺るがしている(た)とされる。その上で、山﨑論文は、①Bと②Bの接合の可能性に期待し、現代の成熟社会における有用な構想となり得るのではないかと結論づける。

 

【所感】

最後に勝手なことを述べれば、近年、ポピュリズムの台頭などで自由民主義体制(もっと広義にリベラルな国際秩序)が揺らいでいることは間違いない。だから、60年代の揺らぎを振り返ることは有意義であると。もっとも、現行の政治体制(政治理念)が揺らぐこと自体は問題ではなく、その時代の要請にあったベターな政体(構想)を模索すればよいのだと思う。


追伸:昨日、首相が辞意を表明した。突然のことで衝撃的だった。新しい総裁(首相)は誰になるかな??

 

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官僚の働き方とその改革

大学院の期末レポートに追われていたため、1ヶ月もあけてしまった…

今日は、提出した拙稿を流用(わかりやすく?編集)して、「官僚の働き方とその改革」について、紹介したい。(ちょっと長いけど読んで欲しい。。。)

 

はじめに
官僚という職業は、「激務」で有名なのではないだろうか。少なくとも各種メディアはそういう報道をすることが多い。(激務なのか「旧態依然」なのかは知らないが。)

自分の部署は、同期の様子を伺うに、内閣府で平均的もしくは「ホワイト」な業務時間だが、時差出勤で8時に出勤し、退庁は22時を回ることが多い。(7月中に21時台に帰ったのは1日のみ。退庁時間の平均をとると22時45分くらいと思われる。)8時出勤だと定時は16:45だから、実質の残業時間は月100時間くらいとなる。

働き方が原因なのか一概には言えないが、10数%が数年以内に辞めたいとか、公務員試験申込者が減ってるとか、問題として取り上げられたりする。

レポートの文言をそのまま使えば、

人口減少・少子高齢化を始めとする一筋縄では解決できない多くの課題に直面する我が国において、中央省庁の働き方(特に、その改善)は、優秀な人材を確保するため、また、職員がベストパフォーマンスを出すために、重要な課題であると言えよう。

 
1.官僚の働き方(残業)の実態

働き方の重要な構成要素の1つとして、勤務時間、とりわけ「残業時間」があげられる。つまり、どれだけ働いてるの?ということだ。(ホワイトだとかブラックだとか言われる目安もそこに重きがある気がする。)
以下では、一般的に使われる「残業」ではなく「超過勤務」という語も用いる。(平日に残って行うものだけでなく、早出も休日出勤も含まれることがわかりやすいし、公務員界隈(人事院規則)で使われる用語である。)
超過勤務とは、原則として1日7時間45分(週38時間45分)とされている正規の勤務時間を超える勤務のことで、超過勤務手当の対象となる。

 
a. 超過勤務時間の実態
【政府(人事院)の公式見解】

人事院の『令和元年年次報告書』第5章「職員の勤務環境等」によると、平成30(2018)年の本府省の超過勤務の平均年間総時間数は356時間とされる。つまり、一か月の平均超過勤務は29.67時間(29時間40分)となる。また、年間360時間(月平均30時間)を超えた職員の割合は、他律的業務の多い本府省において44.7%であり、本府省職員の7.4%が年間720時間(月平均60時間)を超えて超過勤務していた。

この数値通りなら、平均的に1日1-5時間の残業だから、極めて「ホワイト」な職場であると言えよう。

しかし、これらの数値は、国家公務員給与等実態調査に基づくもので、支払われた超過勤務手当をもとに算出されている。つまり!!手当を支給されずに超過勤務する、いわゆる「サービス残業」は捕捉できないという点で、必ずしも超過勤務の実態を反映したものとは言えない!(一職員の実感としては、極めて実態と乖離していると思う。)

 

【別の調査】
その点を明らかにするために別の統計を参照すると、霞が関国家公務員労働組合共闘会議(霞国公)による最新のアンケート調査では、2018(平成30)年1月~12月の月平均残業時間を36.9時間としており、前述の人事院の数値と差が見受けられる。また、月80時間以上の超過勤務をした職員の割合は9.8%となっており、これも人事院の数値(年間720時間以上の7.4%)とは合致しない。


さらに、民間団体「官僚の働き方改革を求める国民の会」による1000人以上の現役職員や元職員を対象としたアンケート調査(2019年6月実施)では、直近1年間の平均年間超過勤務時間963時間(ひと月あたり80.3時間)とされる。また、「最も忙しかった月の実際の残業時間(土日・早朝・自宅勤務を含む)」は、回答者の68.5%が100時間を超えたという。この調査は、口コミで広まったもので、回答者の属性に偏りがあると考えられるが、月に100時間以上の超過勤務をしている職員が一定数以上存在することを指摘するには十分である。


最後に、参考程度に、筆者が同期職員(今年度総合職採用)79名に採ったアンケートの結果を紹介する。「ひと月あたりの平均時間外勤務(残業+休日出勤)時間」を尋ねた問(78名回答)では、30.8%が80時間以上と回答した。また、回答者の平均超過勤務時間は、月64.5時間となった。

以上の調査を整理したのが下表である。調査対象、母数、算出方法等が違う点に注意されたい。
 

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b.超過勤務手当の支給実態

前掲の霞国交は、超過勤務手当の支給状況について直接的に調査をしている。それによると、超過勤務手当が全額支給されている割合は48.1%で半数を割っていた。また、筆者実施のアンケートでも、手当の支給されない超過勤務の発生は読み取れる(「実質の時間外勤務時間に見合った手当をもらっているか」との問(75名回答)に、「もらっている」と回答したのは、53.3%であった。)。

いわゆる「サービス残業」に対する政府の見解は、平成27(2015)年3月、立憲民主党衆議院議員長妻昭による質問主意書(※)への答弁で明らかにされている。(※国会議員は国会だけでなく書面において政府に質問することもできる。

曰く、「国家公務員の超過勤務手当は、関係法令に従い、公務のため臨時又は緊急の必要がある場合において、正規の勤務時間以外の時間において勤務することを命ぜられたとき、この命令に従い勤務した時間に対して支給されるものである。したがって、正規の勤務時間終了後、職員がこの命令を受けずに在庁している場合には、超過勤務手当は支給されないものであり、これは法令に従った取扱いである。

つまり、命令を受けずにした超過勤務は、手当の支給対象ではなく、それは合法だとしているサービス残業の発生を容認する内容になっている。


c.超過勤務の原因:膨大な業務量・国会対応

前掲の霞国公の調査では、さらに、残業になる要因についても聞き取りを行っている。それによると、要因について12項目から3項目を選択する問において、次の通り。
1位「業務量が多い」
2位「人員配置が不適切のため」
3位「国会対応のため」

筆者が実施したアンケートでは、超過勤務の原因を3択にして、以下の結果を得た。
①業務量膨大(人手不足)
②制度的問題・慣例
③業務効率

上記二つのアンケート結果は、(筆者実施のアンケートは母数が少ないため参考程度の価値しかないものの、)互いに整合性があり、超過勤務の主要な原因は、業務量が膨大である(人員配置が不適切であること等から人員が不足している)こと、そして、国会対応等という制度的問題・慣例であると言うことができる。

 

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【増大する業務量】
業務量については、興味深い先行研究が存在する。官僚意識調査研究会が2019年9 月から10月にかけて、財務省総務省経済産業省国土交通省厚生労働省文部科学省の6 省の課長補佐級以上の職員(約200名)を対象に行った官僚意識調査である。
回答者の73.9%が「ここ2 、3 年で急激に組織全体で処理すべき業務量が増えている」と思う一方で、「業務量の増大に組織として十分に対応できている」と考えるのは回答者のわずか18.3%であった。

 

【国会対応】
国会対応については、霞が関の長時間勤務の要因であるとこれまでも指摘されてきたところであるが、その詳細についてここで述べることはしない。自身の経験を踏まえ簡単に説明すれば、国会対応とは、国会の質疑に対する答弁作成業務であるが、質疑者から質問内容を聞き取るのが委員会前日の午後(遅く)であり、問によっては、答弁の作成のために他課室や他省庁への照会が必要となり、実際に答弁を書いていない待機時間も含め、長時間労働になる。まさに、夜を徹して準備をする形となる。

※詳しくは、以前の投稿を読んで欲しい↓↓

kanryo-blog.hatenablog.com

  
2.国家公務員の働き方改革
こんな官僚の働き方も、近年は改革が進められようとしている。というより、実は、スタートも意外と早かった。
ここでは経緯の詳細は割愛するが、働き方改革を進めるべく策定された方針等をあげておく。(読み飛ばしてもらって全く問題がない。)

 

a.総務省「国の行政の業務改革に関する取組方針」(2014年7月)

全省庁共通の取組の1つとして「行政運営の効率化・質の向上」をあげ、①行政のICT化の推進、②業務の必要性の見直し、③業務の実施体制の見直し、④民間能力等の活用、という方針を示す。

2016年の2度目の改定を経て、「働き方改革」の文言が明記され、行政BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)の推進を中心とする方針となった。
(※行政BPR:ICTの徹底活用を念頭に置き、既存の業務プロセスを詳細に分析して課題を把握し、ゼロベースで全体的な解決策を導き出すことを図る取組)


b.女性職員活躍・ワークライフバランス推進協議会「国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針」(2014年6月)

「女性職員の活躍を推進するに当たっては、男女全ての職員の『働き方改革』による仕事と生活の調和(ワークライフバランス)を実現することが不可欠である」とし、下表に示す通り、令和2(2020)年度末までの取組内容として、3つの改革と9つの取組を掲げた。(各府省等に具体的な目標を定めた取組計画を策定し、総合的かつ計画的な取組を進めることを求めた。)
 

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働き方改革」の3つの取組をより詳細にみると、以下のように、具体的な取組が書かれている。
意識の改革:①大臣、事務次官等から明確なメッセージの継続的な発出、②集中取組期間としてワークライフバランス(WLB)推進強化月間(7・8月)の設定、③WLB実現の取組の人事評価への反映。
職場における仕事改革:①職場レベルで超過勤務や業務処理状況の現状把握、②WLBの取組が優良な職場の表彰、③法令、国会及び予算等業務の効率化および各省協議ルールの厳格化等の方策。
働く時間と場所の柔軟化:①テレワークの本格的な活用、②フレックスタイム制の検討。


c.内閣人事局霞が関働き方改革を加速するための重点取組方針」(2016年7月)

働き方改革」を実践する民間企業の責任者等と国家公務員の中堅・若手職員を加えた懇談会の提言をもとに策定。本府省等を中心に今後3年間程度で重点的に取り組む内容として、以下の5項目について方針を定めた。

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働き方改革」の実感

はたして、「働き方改革」は進んでいるのか? 昔よりかなり進んでいることは事実だと思うが、この点に関しては正直あまり調べられていない。数値化するのが難しいし、数値目標を達成すれば良いというものでもない。

「国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進に関する職員アンケート(令和元年度)」によると、回答者の半数以上(53.4%)が、「国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針」が策定された平成26年と比較して働き方改革が進んだと実感している。

 


3.国家公務員の働き方(およびその改革)の課題と今後の展望

a.定員合理化とWLB拡充は両立するのか
多大な超過勤務が、ワークライフバランスを悪化させるというのは疑いようがない。そして、超過勤務の原因は膨大な業務量(人員不足)にあることは、既に述べた通りである。

しかし、国家公務員の総人件費・定員は合理化(削減)することになっている!「国家公務員の総人件費に関する基本方針」「国の行政機関の機構・定員管理に関する方針」2014年7月

人員不足なのに、さらに減らすのか!?
と思いませんか?

論文調に言えば、
(定員の合理化と人員の合理化は必ずしもリンクするものではないことは注意が必要であるが、)定員(ひいては人員)を削減するという前提のもと、業務の効率化、人員の適正配置を進めるという方向性は、ややもすれば(適正配置がなされることなく人員が削減され)、WLBの拡充どころか、一人当たり業務量の更なる増加を助長しかねないと考えられる。

 (なお、合理化をするという前提のもと(むしろ合理化をするために)、ITの活用やBPRなど業務改革の取組を推進するというのが、「働き方改革」である。というのが、合理化方針の考え方だと理解している。)

 

b.自主改革としての難しさ
民間企業への「働き方改革」を促進する一方で、国家公務員の「働き方改革」には、「まず隗より始めよ」の観点からとはいうものの、自主改革としての難しさが厳然と存在する。
簡単に言えば、改革を進める外的圧力がいない。(改革を拒む圧力はいるが。)つまり、改革しなくても、困るのは、自分たち。だから、進まない。それ以前に、そもそも目の前の業務に追われていて、業務のやり方なんかには手が付けられないという状況もありえる。


c.  今後の展望:選択肢としてのテレワーク
内閣人事局によれば、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の取組もあり、令和元年度の国家公務員テレワーク実績は大きく向上したという。本省におけるテレワーク実施者数が、前年度の約2.7倍に増加した(※3月までのデータで、26,285人。テレワーク実施が認められている職員約5.2万人のうち50.3%にあたる。)緊急事態宣言が発令された4月以降、さらに出勤回避措置が促進されたことを踏まえれば、現在の数値はさらに向上している。筆者実施のアンケートでも、テレワークを経験した者が大半(78件の回答のうち73件。回答者の93.6%)であった。

進めるのが難しい自主改革が、新型コロナウイルスという外的要因によって推し進められた形と言えよう。この経験を生かして、コロナ後もテレワークが1つの選択肢になれば、働き方は大きく変わる可能性を秘めている。

(例えば、議員レクをWEB会議でやることがニュー・ノーマルになれば、効率化の影響は大きい。)ただ、テレワークでは対応できない業務や逆に非効率的な場合もあることから、単にテレワークを増やせばよいというものではない。求められるのは、個人が必要に応じて気兼ねなく選択できる働き方として定着することであろう。(例えば、子どもが体調不良のときにテレワークをする、待機時間が長い場合に家に移動してからテレワークで対応するなどが考えられる。)その意味では、コロナ感染症対策の出勤回避の取組は、その素地を準備したと言えるのではないだろうか。一度でも(コロナという外的要因によって半ば強制的に、)経験をしていれば、意識の面でもテレワークを選択することは容易になると考えられる。


おわりに
今回の論文執筆に際し、働き方とその改革について調べる中で、働き方改革には個人の意識が重要だと思った。一職員が大きな組織や制度全体を変えるのは不可能だが、組織・制度を作っているのは個々の職員なのであり、個々人の小さな積み重ねが全体の「働き方改革」に結実するのだ。

と言ったところで、仕事があれば何時まででも残らなきゃいけないのだし、まだ日も暮れていない定時に帰りたいなどとは全く思わない。それでも、日々の業務の中で、無駄をなくす方法を不断に検討したいと思っている。これまでのやり方を無批判に受け入れるのではなく、自ら考えてベターな方法を構築していきたい。

 

 ※※このブログの内容はすべて個人的見地・見解に基づくもので、所属する組織の見解とは一切関係ありません※※


(一応、参考文献を載せておく。文献と言うか政府文書ばかり...)

参考文献

岩本隆「霞が関働き方改革に向けて~ICTを活用した長時間労働是正と生産性向上~」  日本パブリックアフェアーズ協会、2018年。
 
eガバメント閣僚会議WG国・地方IT化・BPR推進チーム「国・地方IT化・BPR
推進チーム報告書」(平成29年5月29日)(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/egov/wg/dai5/siryou1.pdf
 
NHK「官僚の勤務データは“リアル”? 人事院に直撃」(2019年7月16日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190716/k10011994501000.html
―――――「“キャリア官僚”申込者数過去最少 民間企業に流れる傾向も」(2020年6月
10日)https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200610/k10012465071000.html
 
各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議「国家公務員テレワーク・ロードマップ」(平成 27年1月21日)http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/cio/dai59/honbun.pdf
 
霞が関国家公務員労働組合共闘会議「中央府省等に働く国家公務員の第27回残業実体アンケート(2018年1月~12月の1年間)結果について」(2019年7月31日)
http://tk-kokko.org/nc/?action=common_download_main&upload_id=3503
 
霞が関働き方改革を加速するための懇談会「霞が関働き方改革を加速するための懇談会」(平成28年6月16日)
https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/jinji_hatarakikata/pdf/teigen.pdf
 
霞が関働き方改革推進チーム「令和元年度 議論の成果」(令和2年6月)
https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/jinji_hatarakikata/pdf/r01_gironseika.pdf
 
官僚の働き方改革を求める国民の会HPhttp://kanryo-hatarakikata.mystrikingly.com/
(最終閲覧:2020年7月20日
 
北村亘、曽我謙悟、伊藤正次、青木栄一、柳至、本田哲也「2019年官僚意識調査基礎集計」『阪大法学』69(6)pp.380-406、2020年。
 
行政イノベーション研究会「クオリティを追求し自ら変革を続ける行政の実現に向けて―行政イノベーション研究会報告書1.0(第一次報告書)―」(https://www.soumu.go.jp/main_content/000351664.pdf
 
経済財政諮問会議「経済財政運営と改革の基本方針2014」(平成26年6月24日閣議決定)(https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2014/2014_basicpolicies_01.pdf
――――「経済財政運営と改革の基本方針2013」(平成25年6月14日閣議決定
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2013/2013_basicpolicies.pdf
 
高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部「IT国家創造宣言」(平成25年6月14日決         
定、平成26年6月24日改定)http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20140624/siryou2.pdf
 
女性職員活躍・ワークライフバランス推進協議会「国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針」(平成26年10月17日) (https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/w_lifebalance/pdf/kettei_honbun_h280128.pdf
 
人事院『令和元年度年次報告書』「第5章 職員の勤務環境等」、2020年。
https://www.jinji.go.jp/hakusho/pdf/1-3-5.pdf
――――HP「一般職の国家公務員の任用状況調査」
https://www.jinji.go.jp/toukei/0211_ninnyoujoukyou/0211_ichiran.html
――――HP「2020年度国家公務員採用総合職試験の実施等について(2020年6月10日)」https://www.jinji.go.jp/kisya/2006/2020sougoujissitou.html
 
人事管理運営協議会「国家公務員の労働時間短縮対策について」平成4年12月9日決定、最終改正平成28年9月14日)https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/files/h4taisaku_h280914.pdf
 
総務省「国の行政の業務改革に関する取組方針~行政のICT化・オープン化、業務改革の徹底に向けて~」(平成26年7月25日総務大臣決定)(https://www.soumu.go.jp/main_content/000304592.pdf
――――「国の行政の業務改革に関する取組方針~行政のICT化・オープン化、業務改革の徹底に向けて~」(平成26年7月25日総務大臣決定、平成27年7月24日改定)(https://www.soumu.go.jp/main_content/000370120.pdf
――――「国の行政の業務改革に関する取組方針」(平成28年8月2日総務大臣決定)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000432802.pdf
――――HP「行政イノベーション研究会」https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/gyousei_innovation/(最終閲覧:2020年7月23日)
 
総務省行政管理局「「国の行政の業務改革に関する取組方針」に基づく BPR等の取組状況」(平成29年1月)https://www.soumu.go.jp/main_content/000460838.pdf
 
田村智子(日本共産党参議院議員)HP「残業代不払い 是正を 田村智子議員 国家公務員の実情指摘」https://www.tamura-jcp.info/minutes/2018/1127141221(最終閲覧:2020年7月23日)
 
戸田宏治「霞が関働き方改革に関する諸課題」法と経済学会、2017年。
 
内閣官房HP「第18回女性職員活躍・ワークライフバランス推進協議会」
https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/w_lifebalance/dai18/siryou.html
  (最終閲覧2020年7月23日)
 
内閣人事局霞が関働き方改革を加速するための懇談会 提言」(2016年6月16日)https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/jinji_hatarakikata/pdf/teigen.pdf
――――「霞が関働き方改革を加速するための重点取組方針」(平成28年7月29日)https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/jinji_hatarakikata/pdf/housin_honbun.pdf
――――「霞が関働き方改革推進チームについて」(2020年6月)https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/jinji_hatarakikata/pdf/202006_kasumigaseki_kaikaku.pdf
――――HP「霞が関働き方改革を加速するための懇談会」https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/jinji_hatarakikata/index.html
(最終閲覧2020年7月23日)
――――「国の行政機関の機構・定員管理に関する方針―戦略的人材配置の実現に向けて―」(平成26年7月25日閣議決定
https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/files/jinji_housin_sakutei_02.pdf
――――「国家公務員の⼥性活躍とワークライフバランス推進に関する 職員アンケート結果(詳細)(令和元年度)」
https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/w_lifebalance/dai18/sankou2.pdf
――――「国家公務員の総人件費に関する基本方針」(平成26年7月25日閣議決定)(https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/files/jinji_housin_sakutei_01.pdf
――――「採用昇任等基本方針」(平成26年6月24日閣議決定
https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/files/000094910.pdf
――――HP「女性職員活躍・ワークライフバランス推進協議会/幹事会」https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/w_lifebalance/index.html
(最終閲覧2020年7月23日)
――――「令和元年度国家公務員テレワーク実績等の結果概要」2020年。https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/pdf/r01_telework.pdf
 
内閣府「平成30年度女性職員活躍と職員のワークライフバランス推進のための取組計画等フォローアップ」2018年。(https://www.cao.go.jp/others/jinji/jisedai/torikumijyoukyou.pdf
 
日本経済新聞WEB「転職希望の公務員が急増 外資やITへ流れる20代」(2020年3月14日)https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56810020U0A310C2EA1000/
 
毎日新聞WEB「国家公務員の5.5%が『数年以内に辞めたい』30歳未満の男性では14.7% 政府調査」(2020年6月19日)https://mainichi.jp/articles/20200619/k00/00m/040/314000c
 
松岡佐知「動き出す霞が関中央官庁の『働き方改革』」野村総合研究所『知的資産創造』(2017-7)pp.50-61、2017年。
 
未来投資会議「日本再興戦略2016」(平成28年6月2日閣議決定
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/2016_zentaihombun.pdf

沖縄の空。

先月末、初出張(人生初の沖縄)に行ってきた。

6月19日に都道府県をまたぐ移動が解禁され、(今はまた東京を中心に感染者が増加してきているが、)ついに、出張が可能になったのだ。

まだ出張行ったことないよな?と参事官の出張に随行させてもらった。

 

主に、移動解禁後の現状視察と出向者の状況確認が用務であったが、内容についてそれ以上のことは書くことはしない。(今日はあまり筆も進まないし。)

ただ、参事官にくっついて二日も過ごすというだけで刺激的で、勉強になることばかりだった。

 

出張自体も初めてであったし、そもそも沖縄に行くのも初めてであった。しかも、石垣島にも行ってきた!

着いた瞬間、「暑い。」と思った。南国だった。

歩く時間も多かったため、汗だくになりながら、必死にメモを取りながら報告用の写真を撮った。(自分のケータイでもっとたくさん撮りたかった...)

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石垣島にて(ケータイで撮った数少ない写真)

 

普段は人でごった返しているという国際通りも、ガラガラであった。それでも、少しずつ少しずつ旅行者も増えているようであった。(ともあれ、こんな異常な時期に行けたのは、ある意味、貴重な経験だったと思う。)

今年の夏は、沖縄旅行者は増えるかもしれない。まだまだ海外旅行は厳しいから、その代替地として、沖縄は格好の場所である。8月には政府のGOTOキャンペーンも始まるし、沖縄を訪れる日本人客は増えるのではないか。(といっても、海外客が来ないのは大きな痛手であるが。)

 

これから、自分がどんなキャリアパスを歩んでいくかは全く分からないが、もしかしたら何回も出張に来ることになるかもしれない。参事官に連れられて汗だくになりながら見た、初めて出会う沖縄のキレイな海と広い空は、出張に来るたびに思い出すような、そんな気がした。

今度行くときは、どんな思いを抱くだろうか。

 

※※このブログの内容はすべて個人的見地・見解に基づくもので、所属する組織とは一切関係ありません※※

 

(長くてつまらない追伸)

さて、話は変わるが、働き始めて3か月が経った。

冷静に振り返ると、自己評価はあまりよくない。正直言って、あまり働いていない。働けるようになっていない。なにか無駄に残業はしているが、残業していること自体に満足しているのかもしれない。もっと言えば、入府したこと自体に満足して、日々の研鑽を怠ってはいないだろうか。官僚すごいね。がんばってね。そういう言葉にすがって甘え、何もやっていないのにプライドだけ高くて見栄っ張り。自分はできるやつと思っている。

指示待ちばかりで最低限のこと以外は何もしない(最低限のこともできているかわからないが...)そんな状態だ。わからないことがあっても、「ま、いっか」と思ってしまう。日々、できない理由、やらない理由ばかりを探している。(決められたことしかやらない、まるで公務員みたいだw)

わからないことを自ら調べ勉強する。分析して自らの頭で考える。主体的に考えて行動する。決められたことすら100%完璧にはできないから、それもどうにかしなければならない。

休日だって、くだらないテレビ見て時間を溶かすだけ。大学院の勉強だってテキトーにこなすだけ。つかれたと言って何もしない。せっかく学生の身分も保持しているのに。間違いなく努力が足りていない。

今月は生まれ変わります。(このままだと、なんか、ホントに使えないやつになってしまう。)「ま、いっか」精神を払拭し、深く考え自ら動く。たくさん調べて読んで知力をつける。言い訳しないで努力する。(一か月後、納得できるだろうか。)

 

「国会答弁の裏側で」(おしごと紹介③)

「国会答弁の裏側で」

ー国会で大臣や政府参考人が議員の質疑に答える。その背後には、官僚たちの夜を徹した壮絶な闘いがある。その「絶対に負けられない闘い」(笑)について、今週初めて国会対応を経験(まさかの二日連続)したので、ルポルタージュ風?にまとめてみたー

※実体験を基にしているものの、ところどころ脚色したフィクションです※

 

[前提知識]

・日本の国会は、委員会制度を採用していて、基本的に省庁毎に分けられた委員会において実質的な議論(審査)が行われる。(議員全員が出席する本会議は、委員会での議論を基に多数決を採るのが役割である。)

・委員会では、主に、与野党の議員があらかじめ決められた時間内で質問をし、政府(大臣や政府参考人(※偉い官僚等))がそれに答えるという方法で議論を行う。

・委員会で質問する質疑者は、あらかじめ政府側(答弁者)に質問を通告することになっていて、政府側はその質問に対する答えを準備しておく。

※わかりやすい説明は、こちら↓↓(子どもには難しすぎるキッズページw)

委員会の審査:国会のしくみと法律ができるまで!:キッズページ:参議院

 

 

◇序:委員会開かれるって!

6月17日、第201回国会が閉会した。

その1週間ほど前、コロナの影響でしばらく開かれていなかった○○××特別委員会(○×特委)が参議院で開かれそうという情報が国会から入ってきた。委員会の与野党筆頭理事同士で調整中だという。(委員会の日程や議事内容などは、委員の中から任命された理事によって決められる。与野党の理事の中のトップを筆頭理事と言う。正式には、委員会の前に開かれる理事会(非公開)で、委員会の進行や議事運営は決定されるが、実際には、理事同士の非公式な協議で決まることが多い。

翌日、参議院○×特委が開かれるなら、衆議院○×特委も開くべきということで、衆・参と二日連続で○×特委を開くことになりそうだという情報が入ってきた。しかも、国会閉会後の18日、19日で。面白いのは、野党が会期の延長を要求することになっているから、委員会の開催が正式に決定するのは、その会期延長要請が却下されてからだという。

その日から、議員からレク要求がひっきりなりに届くようになった。「勉強レク」と言って、(委員会で質問することになったから)どういう政策やってるか教えてくれという依頼である。資料をメールで送ればいいだけのものや、電話で説明をするもの、議員会館に出向いて説明するもの等、内容も時間もバラバラな要求がひっきりなしにやってくる。

例えば、「○○について教えてほしいから、明日の15時に議員会館の部屋に来て欲しい。」という具合である。その場合、誰が説明に行くのか「今日中」に教えなければならない。(議員に説明に行くのは基本的には補佐級以上である。)

総括係員(調整担当※自分の隣のライン)の仕事は、極めて短時間で誰がどういう対応をするのかを決定し、総括参事官の了解を得た上で、担当に割り振ることである。時間に余裕があれば造作ないが、議員の要求は基本的に締め切りが短い!それが、複数一気に来るのである。そして、自分の部局だけでは答えられない要求も多い。その場合は、多部局あるいは他省庁と協力して対応することになる。

A議員から資料要求。本日18時まで。

B議員からレク要求。明日の15時から。担当者登録本日18時。

C議員から答弁ライン要求。明日の12時まで。

D議員から電話レク要求。本日18時から。

E議員から相談要求。明後日13時から。

・・・・・

今回、一番大変だったのは、C議員の要求であろう。「こういう質問するから、どんな感じで答弁するのか教えて。実際に質問するかどうかは、それを教えてもらってから決めるから。メールで送って。」というものであった。しかも、質問が多く、他省庁の協力を必要とするものが多かった。

そんなこんなで、数日かけて、議員の要求に応える中で、なんとなく質問者とその質問内容が見えてくるようになった。ただ、特に要求をしてこない議員もいるし、質疑者の全員が明らかになったわけではなかった。

 

◇前夜、むしろ当日の朝。

そして、委員会前日を迎えた。上司には、家には帰れないから準備してくるように言われていた。

朝は比較的静かであったが、まずは「問取り」が待っている。上記の勉強(レク)を踏まえて実際に委員会でなんて質問をするのか、議員に聞き取りに行く必要があるのだ。もちろん、議員の指定した時間・場所・方法によってである。実際にどのような問題意識をもっていてどのような質問をしてくるのか知るのは極めて大事である。「○○について」とだけ言われても、具体的にどんな答えを用意すればいいかわからない。そして、誰に答えてほしいのかという重要な問題もある。大臣が答えるのか、政府参考人(部局トップなどの官僚)に答えるのでも良いのか。そもそも、うちの部局ではなくて、他省庁が答えるべきなのか。明らかにしなくては準備はできない。が、問取りは、基本的に前日の午後に行われる。だから、答弁作成も遅くなる。

実際に聞き取りに出向かないパターンもある。要旨対応と言って、こんな質問をするという紙が送られてくる。その場合、電話で質問していいことも多いが、「○○について」とだけ書かれていて質問も不可だと、いろいろな想定の下たくさんの答弁案を作成しなければならず、大変である。(幸い、今回はなかった。)

A議員:問取りレク。16時から。

B議員:要旨対応。

C議員:問取りレク。20時から。

D議員:問取りレク。15時から。

E議員:要旨対応。

・・・・・

C議員の要求は、「今すぐ議員会館に来い」というものであった。問取りができた議員の質問から順次、答弁を作成していくから、まさに答弁作成中のさなか急な呼び出しであった。

21時、ようやく全質疑者の問が確定した。

衆○×特委では、質疑者は9人で、そのうち2人は、うちの部局が答える質問がゼロであったから、合計7人の質問に対応することになった。(忘れてはいけないのは、二日連続開催のため、参の議員からの要求も同時に来ていたりした。)

 

答弁作成の流れは、ざっと次のような感じである。

1.問表をつくる。(問取りを参考にどんなことを聞かれるのかまとめる)

2.各担当が質問毎に答弁案を作る(各担当参事官(各担当のトップ)がOKを出す)

3.総括参事官(部局の実質NO2)が確認し修正を指示し、OKを出す(総括係員が各担当と総括参事官を仲介する役目を担う)

4.統括官(部局トップ)が確認し修正を指示し、OKを出す(統括官が答弁者の場合は完了→6へ)

5.大臣室の秘書官が確認し修正を指示し、OKを出す(大臣答弁の場合)

6.同時に、他省庁作成の答弁を取り寄せる。

7.すべての質問の答弁を総括担当係員で印刷し綴じる。(答弁者用など6セット程)

 

複数の質疑者の複数の質問に対する答弁(原稿)を、同時並行で作成していく。今回は、全部で10個の質疑に対する答弁を作成した。自分の仕事は、主に、問表を作成しそれぞれの答弁がどういう状況にあるのか進捗を管理することであった。

答弁には、大臣や統括官(部局トップ)が答える際に困らないように必要な情報を詰め込む。国会での答弁は、当然ながら公開され記録され、政府の公式見解となる。大臣であっても、個人的な見地に基づく意見表明は好ましくない。過去の答弁と矛盾することがあってはいけないし、政府の方針と異なると思われるようなことも許されない。

 

21時半、統括官が帰宅。これ以降は、メールで確認するという。

24時半、総括参事官も帰宅。この時点で、残りは、秘書官の確認が必要な大臣問だけになっていた。この頃から、完成した答弁を印刷し始める。

2時半、秘書官の修正およびチェックが全て終わる。

全ての答弁を印刷し6セット綴じる作業が終わったときには、とっくに空が明るくなっていた。1セット100ページくらいあるため印刷するだけでも時間がかかるが、質疑者ごと問ごとにインデックスシールを貼る作業がなかなか大変である。

5時、退庁(タクシーチケットで帰宅)

 

◇当日、委員会開催。

9時半、登庁。

なんと、朝8時にB議員より追加の質問が来ていた。前日先に帰り先に来ていた主査が対応。10時~答弁者の打ち合わせだったが、なんとか打ち合わせ中に完成。

13時に委員会開会、予定通り2時間半で終了した。答弁者の他には、参事官や答弁を作成した担当が委員会室に出向く。自分たちは執務室のテレビで中継を眺めていた。長い「闘い」を経てここまでたどり着いたという達成感を覚えながら、大臣や統括官が答弁するときは少しばかり緊張した。

同時に、翌日の参・委員会の問取りも始まっていた。(もう一日、同じような流れを繰り返したのだが、ここでは割愛する。参は質疑者が7人で、うちの部局への質問がゼロの人が3人もいたし、また、2日連続で慣れていた?こともあり、奇跡的に1時過ぎには答弁を綴じおわった。)

 

◇つまらないあとがき

国会対応は、国家公務員にとって最も重要な(そして花形的な?)仕事ではないだろうか。国権の最高機関たる国会において、政府の施策を説明し、見解を表明する機会である。2日目の参議院の方は、委員会室の末席で傍聴したが、あの厳粛な雰囲気と緊張感には興奮を覚えた。何気ない日々の業務も、究極的にはここにつながっているのだと改めて実感した。国会の場において、自分たちが朝までかかってセットした答弁(原稿)が読まれていた。

それから、日本の国会は「アリーナ型議会」(※政治学の概念)であると改めて思った。原稿を読むだけで、実のある議論がなされていないという声も聞かれるが、与野党議員と政府がそれぞれ意思・見解を表明するというアリーナ(劇場?)を提供するのが、最大の役割なのである。質問をされ、それに答えようとすると、改めて施策について考えるきっかけになるし、アリーナ型の質疑形式も意味があると思った。

 

 

(長々と書いてしまったが、もう少し文章力が欲しかった…)

 

※※このブログの内容は全て個人的な見地・見解に基づくもので、所属する組織とは一切関係ありません※※